自然の恵み、和の心。
いつの時代も日本の生活に欠かせない畳。
夏は涼しく、冬は暖かい。
幸せなくつろぎを与えてくれます。
使い方はライフスタイルに合わせて自由自在。
畳の魅力を再発見してみませんか?
畳は日本の気候や風土に
もっとも適した優れた敷物です。
5センチほどの厚さの畳床にはその材質に空気がしっかり詰まっています。空気は熱を伝えにくいという性質があります。つまり畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃さない羽毛布団と全く同じ。だからあたたかく心地よいのです。
夏は涼しく、冬はあたたかいという畳の利点を生み出しているのは、畳表のイグサと畳床。イグサがスポンジとなって湿気を吸収し、畳床のなかの空気が湿気を放出しながら、効率的に呼吸しているわけです。畳一帖分の自然吸湿能力は約500ml。ゆっくり湿気を吸って吐く畳は、高温多湿の日本の気候に最適な床材です。
畳の表(畳表)のイグサがスポンジ状の構造で空気をたくわえ、フカフカした感触を生み出しています。畳床にも空気はたっぷり。こうした空気がクッションとなり、寝ころべば心地よく、転んだときでも衝撃を和らげてくれるのです。また畳の色は人間の皮膚に近い自然色。畳は安らぎの触感と視覚を与えてくれます。
畳のすがすがしく懐かしい香りはイグサによるものですが、イグサの香りには鎮痛効果があります。また東大工学部の研究によって、イグサが人体にあまりよくない二酸化ちっ素を吸着する働きがあることが分かりました。畳は空気を浄化しながら、私たちに森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれるのです。
畳の部屋はほかの部屋に比べて、静けさを感じます。これは視覚的に「落ちつき」を感じるからだけではなく、実際に畳の空気が余計な音を吸収してしまうから。衝撃を弱くする弾力性に加え、この吸音効果があるから、畳の部屋はいつも静かで、少々乱暴に歩いてもその震動や足音が弱まるのです。